本記事は、ハチイチ商店で販売している商品の生産者様にインタビューを行い、その会社の歴史や、商品へのこだわり、ものづくりへの思いをご紹介しています。
今回は、株式会社門崎の取締役であり食品製造事業部 部長の松橋孝幸さんにお話を伺いました。
なお、本インタビュー記事は、ボリューム満点になってしまったため、2部構成でお送りします。
岩手県で6次産業を行う「株式会社 門崎」の歴史
株式会社門崎は、熟成肉の販売や飲食店の展開・小売り事業を行っている会社です。
代表のお父さんが「馬喰」という牛を飼って売る仕事をしていたこともあり、原料があるなら自分のところで販売すればいいじゃないかと仕事を始めたのがきっかけとなり株式会社門崎が誕生しました。
岩手県にある本社は、代表の母校でもある小学校が廃校になった場所を活用しています。良い気が集まる場所だと思い、この場所を選んだそうです。
校門のところには「格之進肉学校」という標識が掲げられています。格之進というのは屋号であり、代表の息子の名前をとって名付けらました。
理由としては、息子が大きくなった時に恥ずかしくない仕事をしないといけないという思いがあったそうです。
岩手にあるのが格之進肉学校の本校になっていて、分校が六本木にあります。
分校でお食事された方が本校へハンバーグ作りの見学に来てくれたりできたてのハンバーグを食べにきてくれることで、全国から岩手県川崎町へ人が集まってくれるという狙いもあるそうです。
格之進だからできるこだわりの熟成肉
格之進の熟成肉は、昔ながらの技法である枯らし熟成で作られています。
枯らし熟成とは、枝肉のまま牛を一頭吊るして良いタイミングで骨を抜く製法です。
枯らし熟成で熟成することによりタンパク質の分解が進んで旨味成分が増すうえに、程よく水分が抜けて旨味成分が凝縮されることで、美味しさがアップするだけでなく、和牛独特の香りである和牛香もより芳醇になります。
熟成方法にはいろんな種類があり、熟成肉の本場ニューヨークにも行き研究を重ねたそう。
ただ、和牛での熟成を考えた時にニューヨークの技法は合わないと判断し、今でも枯らし熟成にしていると言います。
ニューヨークのドライエイジング技法では熟成香を最大限にして提供するため、黒毛和牛がもつ独特の香りが消えてしまうそうです。
その点、格之進の熟成肉は枯らし熟成で熟成香が最大限になる前に骨を抜いており、しっかりと黒毛和牛の香りも残してます。
骨を抜いたお肉は真空パックした状態で保管し、さらに肉の旨味を引き出しています。
枯らし熟成で40日、真空パックで45日以内で熟成させて完成に至ります。
実は熟成は最低でも40日はやらないと美味しくならないそう。
門崎では牛一頭をまるまる買い入れて熟成肉を作っていますが、資金の問題もあり、どの企業でも簡単に真似できるものではないそうです。
牛一頭を買い入れているからこそ、枯らし熟成でしっかり熟成させたおいしい熟成肉を作ることができるのです。
格之進ハンバーグ5種類の特徴
熟成肉と並んで人気を集めるのが、格之進のハンバーグです。
お肉の選定からこだわって作られた、5種類のハンバーグの特徴を紹介します。
白格ハンバーグ
白格ハンバーグは、国産黒毛和牛と岩手県産の白金豚を使った合挽ハンバーグです。
白金豚はプラチナポークとも呼ばれ、コク深さや脂の甘み、旨味を感じられるのが特徴。
焼く前からフルーティな香りが漂うパティはとろけるような感触です。焼きあがったハンバーグにナイフを入れると、肉汁があふれ出します。
さっぱりした肉の甘みを感じ、粗びきの肉の食感を感じるため、食べ応えも抜群です。
黒格ハンバーグ
黒格ハンバーグの原料は、100%国産黒毛和牛。日本を代表する和牛の名に恥じない、濃厚な脂と旨味が特徴の牛肉を贅沢に使ったハンバーグです。
ナイフを入れるとジュワッとあふれ出る肉汁。湧き上がるような牛肉の香りも魅力のひとつです。食べる前から、口の中には唾液が溢れでます。
濃厚な脂と黒毛和牛の旨味は、噛み締める程に濃く感じられ、食べる手が止まらなくなってしまいます。
国産黒毛和牛のみを100%使用しているため、とにかく肉々しさを存分に味わいたい人におすすめです。
金格ハンバーグ
金格ハンバーグは国産牛と白金豚の合い挽きハンバーグです。
白金豚とは岩手県の幻のブランド豚で、つなぎの原材料も岩手県産の物を使うなど岩手の食材にこだわって作られています。
肉汁たっぷりで、ソースをかけなくてもおいしくいただけます。
牛醤ハンバーグ
金格ハンバーグに、黒毛和牛を発酵させて作った醤油「牛醤」をプラスしたハンバーグです。
牛醤は格之進のオリジナル調味料になっています。牛醤を加えることにより、金格ハンバーグの旨味がさらに際立っています。
薫格ハンバーグ
金格ハンバーグに、特許取得済みの冷燻技術を使い燻製の薫りをプラスしたハンバーグです。
生のハンバーグに燻製の香りを加えており、ハンバーグを焼くことで肉汁の香りと合わさって風味まで楽しめます。
ゴールはない。常に進化を目指して
ハンバーグは常に進化させなければダメだと話す松橋さん。
ハンバーグ作りはレシピを整えただ混ぜて作るのではなく、ハンバーグづくりに携わる人の感覚を研ぎ澄ませて調整をしていくことが大事だそうです。
中途半端な物を売っているつもりはないけど、これが完成品ではない。
格之進のハンバーグはこれからも、進化を続けていきます。
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『異業種からの挑戦!格之進ハンバーグを一新した「ハンバーグおじさん」に迫る』