本記事は、ハチイチ商店で販売している商品の生産者様にインタビューを行い、その会社の歴史や、商品へのこだわり、ものづくりへの思いをご紹介しています。
今回は、福島県会津地方でアスパラを栽培されている「あすぱらの田中さん」にお話を伺いました。
自分にあった働き方を目指し、興味を抱いていた農業の道へ
田中さんは、2019年4月に農場を開業しました。
元々は会社員として働いていましたが、農業に興味を持っていたことから農業体験に参加。
その経験から農業をやっていく自信がついたことで、本格的に農業の道に進むことを決めました。
その後、約5年間イオン農場で働いて栽培や農場の運営について一から学んだ後、約1年間の研修を経て創業に至ります。
畑の面積は敷地が約1町で、ハウスの中の面積はその半分程度の4反5畝です。
そのなかで、現状収穫できる株が約3反あり、今後も株を植えていき将来的には4反5畝のハウス農園になる見込みだそうです。
「他のアスパラガスにはない、みずみずしさがある」と市場関係者も大絶賛
アスパラのように水分を多く含む野菜をおいしく育てるためには、水分の管理がとても大切になります。
アスパラを栽培するうえで大切にしているのは、「畑の中の水分量をできる限り一定に保つこと」だそうです。
「成長を妨げないように、アスパラが健康でのびのびと育ってほしいと願いながら、水分量が一定になるような土づくりを心がけています」と田中さんは話します。
喜多方は米どころでもあり、もみ殻などの資材も活用して畑の水分量を一定に保つために、畑作りを行っているそうです。
こうしてこだわりぬいて作られたアスパラは、日本一の青果物の取扱量を誇る東京の大田市場の関係者からも、「他の産地のアスパラにはないみずみずしさがある」と高い評価を受けています。
会津喜多方の環境が、絶品のアスパラガスを生み出す
みずみずしいアスパラが栽培できるのは、"喜多方の気候"も大きく関係していると田中さんは言います。
喜多方は非常に寒暖差の大きい地域です。植物は寒さに備えて糖度を高める特性があり、厳しい寒さになることでアスパラの甘みはグッと増します。
また、寒い季節にアスパラがしっかりと休眠できることも、おいしく育つ秘訣だそうです。
「国内の暖かい地方では、温暖化の影響でアスパラが冬に休眠しづらくなってきており、それにより春に生育不良が見られるという話も聞きます」と田中さんは話します。
さらに、喜多方は盆地の地形で水が集まっており、雪解け水や地下水が豊富にあります。
かつては上水道として使われていたこともあるほど水質の良い地下水が豊富にあり、アスパラを栽培するには本当に恵まれた環境になっています。
鮮度抜群のアスパラガスは、産地直送でしか味わえない
産地直送のアスパラは、"鮮度の高さ"が最大の魅力です。
スーパーでもアスパラを手に入れることはできますが、産地直送と比べると鮮度は全く異なります。
と田中さんは話します。
アスパラガスの旬は春〜夏。季節によって味わいも変化
アスパラの旬の時期は、春アスパラが4月初旬から5月中旬、夏アスパラが7月初旬から9月初旬です。
春アスパラと夏アスパラでは、味の特徴も異なるそうです。
田中さん曰く「春アスパラは夏アスパラよりの少しえぐみが強いですが、その分甘さがあります。一方、夏アスパラは春アスパラに比べて甘さは劣りますが、えぐみが少なくあっさりとした味わいになっています」とのことです。
田中さんが育てるアスパラの一番の売りである"みずみずしさ"は、春アスパラでも夏アスパラでも変わらず楽しめるそうです。
おすすめの食べ方は、「塩焼き、天ぷら、肉巻き」とのこと。天ぷらにする場合は、あっさりと食べられる夏アスパラが最適だそうです。
また、バターやオリーブオイル、ごま油で焼くのも、おすすめだそうです。
プロが教える!アスパラガスの正しい保存方法
まず、1つ目のポイントは、アスパラを縦にして冷蔵庫に入れることです。
横向きにしてしまうと中にある水分やエネルギーを使って上に伸びようとするため、中の水分やエネルギーが失われてしまいます。
横ではなく縦に置き、アスパラが植えられているような自然な形を保つことが大切です
2つ目のポイントは、アスパラを包装紙や新聞紙で包んで保存することです。
ラップのように水分を吸収しないもので包んでしまうと、アスパラが腐る原因になることもあります。
ですから、アスパラを傷めずに保存するためには、ある程度水分を吸ってくれるもので包んであげることが大切です。
包装紙でアスパラを包んだ状態で配送しているため、そのまま包装紙に包んで保存しておくと良いそうです。
アスパラを美味しく食べられるのは、お届けしてから1週間が目安だそうです。
1週間ほど経つと下の方からしなびてきてしまうので、しなびた部分はカットして召し上がってくださいとのことです。
プロが教えるアスパラの保存方法まとめ
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お客さまへの想い
最後に、お客様への想いをお聞きしました。
会津のアスパラはとても美味しいのですが、知名度が低いのが現状です。
また、農家の高齢化が進み、人手も少なくなっています。
そのような状況のなかで、美味しい産地を守るためにみんなで協力して頑張っています。
このような背景を少しでも皆さんに知っていただけると、嬉しいです。
今回は、会津でアスパラを栽培されている田中さんにお話を伺いました。
田中さん、ありがとうございました。