極上の川俣シャモを提供する「株式会社川俣町農業振興公社」

極上の川俣シャモを提供する「株式会社川俣町農業振興公社」

本記事は、ハチイチ商店で販売している商品の生産者様にインタビューを行い、その会社の歴史や、商品へのこだわり、ものづくりへの思いをご紹介しています。

今回は、福島県伊達郡川俣町で川俣シャモの育成・販売をされている「株式会社川俣町農業振興公社」の菅野さんにお話を伺いました。

 

川俣町の誇る特産品「川俣シャモ」誕生の歴史

銘品館シルクピア

株式会社川俣町農業振興公社は、昭和62年に設立されました。

同社は、主に川俣シャモの育成・販売、そして道の駅川俣内の施設「銘品館シルクピア」および併設のレストラン「Shamoll」を運営しています。

川俣町は川俣シャモの特産地として知られており、その歴史は江戸時代後期にまでさかのぼります。この地はかつて絹織物の生産地として栄え、機屋の旦那衆が娯楽としてシャモを戦わせていました。

こうした歴史もあり、昭和58年に当時の町長が町おこしの一環としてシャモを特産品にしようと考え、品種改良などを重ねて生まれたのが川俣シャモです。

川俣シャモ

川俣町はシャモを育てるのに理想的な環境も整っています。

シャモは体温が約40度と高く、暑すぎる環境では餌を全く食べなくなってしまうこともあります。

その点、川俣町は山間に位置し、風通しが良いため、夏でも気候は比較的穏やかです。

冬も雪が積もりすぎることはなく、シャモを飼育するには最適な気候です。

また、阿武隈の地下から湧き出た井戸水を活用するなど、恵まれた自然環境を最大限に活かして、シャモの飼育に取り組んでいます。

 

「町おこしのためにも美味しいシャモを作ろう」地元農家と一丸となりシャモを育成・生産

純系のシャモは天然記念物に指定されており、食用として扱うことはできません。

そのため、川俣シャモはシャモの血を25%引き継ぎ、レッドコーニッシュと地鶏のロードアイランドレッドを交配して生産されています。

育成に関しては、独自の厳密なルールに則って行う必要があるそうです。

また、地域との密接な関わりの中で生産されていることが認められないと登録されないGI(地理的表示)にも登録されているように、川俣町内で一から飼育・生産まで行っているのも大きな特徴です。

川俣シャモ

「町内の農家さんに雛を渡して、各農家さんに育てていただき、当社が一括で買い上げて生産から出荷まで行っています。

農家さんも生産管理工程が正しく実施されていることを第三者機関によって審査してもらい認証を受けるGAP認証を取得する必要があり、大変な部分も多いと思います。

ただ、みなさん地域を愛してるからこそ町おこしのためにも、美味しいシャモを作ろうとプライドを持って飼育されています

と菅野さんは話します。

 

スーパーの鶏肉では味わえない。川俣シャモの魅力は、「独特の食感」と「旨味」

川俣シャモ

一般的な鶏肉とシャモ肉で特に顕著な違いが現れるのが、食感と味の濃さです。

シャモはもともと筋肉質で硬いという特性を持っており、煮込み料理には最適な肉質ですが、焼いたり揚げたりすると硬くなり過ぎてしまいます。

そのため、焼き物や揚げ物でも美味しく楽しめるように品種改良が行われ、川俣シャモは独特の弾力を保ちながら食べやすい形に仕上げられています。

また、シャモを長期間飼育すればするほど、豊かな旨味が引き出されます。これも、シャモ肉の魅力の一つと言えます。

川俣シャモ

「一般的なスーパーで売っているモモ肉や胸肉とシャモ肉を、味付けをせずに焼いて食べ比べてみるとその違いは一目瞭然です。

シャモ肉は噛めば噛むほど旨味がどんどん出てくるので、飲み込む直前まで旨味が感じられるのが大きな違いです」(菅野さん)

特に胸肉に関しては、舌の肥えた料理人やバイヤーからの評価も非常に高いそうです。


「料理人やホテルのバイヤーの方々がお越しになる展示会に頻繁に出店しており、毎回胸肉とモモ肉の試食を提供しています。

特に胸肉に関しては、『本当に胸肉なの?』という驚きの反応をよくいただき、評判が非常に高いです」

と菅野さんは話します。

 

プロの料理人も評価するシャモ肉とお客様から評判の絶品スープが合わせて楽しめる「川俣シャモ鍋」

川俣のシャモ鍋は、プロからも評判の胸肉とモモ肉をセットで提供しています。

また、スープもシャモの出汁100%で仕上げられており、肉だけでなくスープからもシャモの豊かな風味を存分に楽しむことができます。

実際にシャモ鍋を購入したお客様からは、お肉はもちろんスープの美味しさを評価する声がたくさん届いているそうです。

川俣シャモの出汁

「リピーターの方々や初めて購入した方から、感想をメールでいただくことがあります。特に、スープに関しては非常に美味しいという声が多いです。

スープがびっくりするほど美味しかったので、自分で出汁を取りたいとがらを買って、自分でスープを作られた方もいらっしゃいました。

もちろん、お肉についても評価をいただいていますが、スープの美味しさに感動される方が多い印象です

と菅野さんは話します。

川俣シャモ鍋

また、川俣のシャモ鍋をよりおいしく食べるには、肉は煮込み過ぎないのがポイントだそうです。

煮込みすぎると旨みが全部スープに逃げてしまうので、お肉は火が通ったらすぐに召し上がっていただくのがおすすめですね。

スープ自体もシャモのだしで取っているため、さっと加熱するだけでスープの旨味がお肉に入りますし、肉自体の旨味も残った状態でプリッとした弾力を味わっていただけます」(菅野さん)

 

お客様への思い

川俣町農業振興公社

最後にお客様への想いについてお聞きしました。

県内もそうですが、特に他県に行くと、川俣シャモの認知度はほとんどないに等しい状態です。また、川俣町自体もあまり認知されていません。

川俣シャモは、川俣町の町おこしがベースにあります。

川俣シャモを食べていただいて、それをきっかけに福島県の川俣町を知ってもらい、実際に足を運んでいただくことが、元々我々が目指していたところでもあります。

ぜひ、川俣のシャモ鍋をきっかけに川俣町にも実際に足を運んでいただき、シャモ料理を味わってもらえればと思います。


本日は、株式会社川俣町農業振興公社の菅野さんにお話を伺いました。

菅野さん、ありがとうございました。

ブログに戻る